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20111030

再びホットトイズ

工業製品をはじめ、多くの市販品の品質では、我が日本は世界トップクラスといえるでしょう。

 しかし、フィギュアに関して言えば完成度世界一はホットトイズです。
他者の追従を許さないその姿勢が作り出す製品群のリアルさは人類史上最高と言っても過言ではありません。(「製品群」ね。ワンオフの蝋人形は製品では無い)
様々なメーカーが試作品を宣伝材料としてアピールするわけですが、「試作品」から「市販品(量産品)」への劣化は酷いものがあります。
しかしホットトイズはその差が極狭く、常に安心して予約できるのであります。

 さて、そんなホットトイズからティム・バートン版「BATMAN」より、バットマンとジョーカーの2体が発売されました。
ティム・バートン監督が創りあげたバットマン世界は、それまでの「パンツを穿いた陽気なイデタチのアメリカン・ヒーロー」を、大人の鑑賞に十分耐えられる(ダーク)ヒーローとして映像化し、後の映画版の指針を決定した傑作です。
ちなみにその後の映画版も派手ではありますが、「ビギンズ」が評判ほどアレだったのがトドメとなって、ジョーカーが絶賛された次作は未見です。ひょっとするとテレビ放映されても観ないかも・・・正直あまり興味がありません。
 ティム版2作の中でも作品的には断然「リターンズ」が好きですが、バットマンに関して言えば同作のシャッター腹より、1作目の筋肉スーツが断然イカシます。
この筋肉スーツ、デザインされたのが確か「砂の惑星/DUNE」の超カッコイイ スティル・スーツを描かれた方でしたね。

映画「DUNE/砂の惑星」。異文化を描いた素晴らしい作品でした。
カイル・マクラクランは正に王子でしたねえ!(画はイメージで)。

 ホットトイズ製品は「1版」の立体化なので、ムム、と食指が動いたものの、今回はスルー。
それは材質の耐久性が懸念されるからです。
  その素晴らしい再現性とこだわりには、実物に近い(実物を表現する)材質が求められます。
しかし今回のバットマン、ゴム系の素材を使用しているとしたら、数年後には油分がにじみ出てヒビ割れるのではないでしょうか。
 ちなみに昔、「ダークエンジェル」のマックス(ジェシカ・アルバ)を作ってみたことがありますが、市販品のライダースを流用したところ数年でベタベタのボロボロになりました。元々、合成皮革とは耐久性の短い材質らしいです。良心的な市販の服の注意書きにも書いてあります。
 他のフィギュアでも軟質素材で関節をコートしたもの・・・バイオ5のクリスとか・・・がありますが、耐久性を考慮するならば数歩譲って普通の関節(ロボットみたいな)にするべきでした。
しかしホットトイズの製品開発思想としては耐久性よりもリアルさを優先するのは当然なのでしょう。
購入する側のお財布事情にもよりますが慎重に考えれば、そこそこの耐久性か一時のリアルさか。その辺を考えながら購入を検討するのも良いかもしれません。
 さて、原宿フラッグシップストア「トイサピエンス」が12月オープンですが、限定でとても気になる製品が。
アイアンマン・Mk.4(シークレットプロジェクト版)
http://www.hottoys.jp/item/view/100001736
 劇中ではトニー・スタークの性格に合っていた派手カラーですが、機械の重厚感やシャープさを表現するにはモノクロの方がカッコイイと常々思っていました。
お値段25,000円もアレだしわざわざ買いに行かなかんのもアレだしで二の足を踏んでしまいますが、やっぱりホシイ!
でもノーマル買って(既に品薄だが)色塗ればもっと安く手に入るよねと思わなくもありません。


テレビドラマ妖怪人間ベム
ついに始まりました。(注※コレ先週書いてます)
賛否両論ケンケンガクガクですが、気に入らなかったら観なけりゃいいじゃんで一件落着です。
僕はといえばそこそこ楽しみにしていて、割と良かったんじゃないかなと思いました。
 順当に行けばベムは遠藤憲一さんだと思いますがそこはそれ、土曜日のドラマなので迫力だけではなく「華」も欲しい(テレビ局側から言えば女性客も欲しい)ということで亀梨くんになったのでしょう。
 亀梨くんのベム、思い切ってイメージチェンジしたのが大成功だったと思います。白髪が似合っていてすごくカッコイイし、人間体のアクションも良かった!原作の戦車のようなベムとは違って悩み傷つくあたりは亀梨くんの演技力が光るところ。身体に気をつけて突っ走って欲しいですね。
 ベラの杏さんについては誰も文句が無いのではないでしょうか。こちらもやはり原作のようにキツイだけではまずく、美しさも加わらなければ誰も観ないもんなあ。福ちゃんも頑張っています。
 そんな本作ですが問題はやはり妖怪の姿。ぬいぐるみにせざるを得ないにしてももう少しどうにかならないものか。
素人考えですが、着ぐるみって全身にウレタンみたいのを巻くでしょう、アレがイカンと思います。いかにもぬいぐるみ体形でポチャポチャしとるでしょう。アンコとタイツをミックスして、塗装で表現できる部分はそれで済ませればもっとスマートになるのでは。
中に入る方も、もっと人間離れした・・・アンガールズみたいなやけにヒョロッとした・・・方も面白いかもしれません(アクションは抜きだけれど)。
要はもっと、ぬいぐるみや人間のシルエットを崩す工夫がされてもいいんじゃないかということ。
 それと原作通りだと最後は必ず町を追い出されるはめになりますが、理解者や協力者(味方)の出現を期待したいですね。
ハッピーエンダーとしては最終回には原作とは違った、それなりの答えと幸せが待っとるといいのになと思う次第です。

20111022

バオー来訪

前々から気になっていた「MANGA REALIZATION バオー来訪者」(BANDAI社製)を購入しました。

 バオーといえば「死刑執行中脱獄進行中」の荒木飛呂彦先生原作のコミックであります。
寄生虫が身の危険を感じる・・・宿主のアドレナリンが上昇すると武装化現象になる・・・んでしたっけ。
安易に続編を望むおバカさんもいますが、水から出てきたら育朗の身体を食い破ってバオーが出てきちゃうからね。

 マンガの範疇を越えたハイセンスなカバーアートが、確か故・ペーター佐藤さんの描かれたデザイン画そのままだったりしたのでジョジョ第2部終盤まで離れていました。
この辺は少々複雑で、最後の敵は永井豪先生のバイオレンスジャックだったし、「生物兵器」の発想も先駆者がいました、確かに。古い本で作者、作品名もさっぱり覚えていませんが・・・。
 しかし本来のセンスに加え、様々なアーティストの魅力も吸収して唯一無二のタッチと表現方法を完成された今、間違いなく日本を代表する、世界に誇れる作家であると言えますね。

 さて、バオーですが、やはり世界に誇る造型師である竹谷隆之さん監修の元、素晴らしい仕上がりを見せてくれます。当時の荒木タッチといえばやはり荒削りで、正直なところ現在ほど画が上手いとはいえません。(・・・これはどの作家さんもそうだから。はじめから完成されている作家さんはマンガばっかし相当数、描いていたのでしょう。)
 だからあのカッコ良さはコミックの中限定であって、原作そのものを立体化しても正直カッコ良くはありません。本作ではマンガの意匠を取り入れながら実写寄りに制作することで、立体として見応えがある仕上がりとなっていますね。(ただ、黒目は要らなかったな)
 フィギュアのパーツを一部交換することでマンドリルのマーチンを配したディスプレイ仕様にもなりますが、可動部少なめ。特にジーンズの下半身は立体的にも貧弱です。上半身は荒木ポーズを微妙に再現できるので、下もどうにかして欲しかったところ。一生懸命遊ぶ趣味も無いので、かえってただの立像の方が良かったのかも。(立像といえば大昔の本に掲載されていた海洋堂さんの試作がものすごくセンス良かったです。確か上着が茶系のジャケットだったと思います。復活してくれたら買うのに!)
 竹谷さん監修の商品は腿の付け根が必ずボールジョイント程度の組み込みしか無く、可動域があまりありません。同じくS.I.Cで活躍されている安藤賢司さんの可動スタイルを組み込めばケレン味のあるポーズも可能だったのになと少々ザンネンな気持ちです。
  フェノメノン再現パーツと差し替え手首が付属ですが、ポロポロ落ちるのも困ったところ。胴体もよく外れます。
昨年3月発売・定価5775円を送料込み2950円で購入。
販売数が見込めず生産数が少ないのではと思いますが、この内容なら正直、定価2480円くらいが妥当かと思います。
二匹目のドジョウ的な商売も得意とするBANDAI、弾が無いのか「覚悟のススメ」などマニアックの路線に少々走りすぎです。
マニアック目線では嬉しくもあり、大人としては会社の行く末が心配でもあり・・・。

あ!TVアニメ「トリコ」の、スナック菓子を砕いてふりかけるロケットパンチみたいな道具!
自社商品を本編にねじ込む姿勢がいやらしすぎる。
 お菓子と食事の関係ですが、ポテトチップス(当然塩味)やコーンフレーク(プレーン)をサラダにトッピングすると食感に変化が加わってとても美味しいですね。
じゃがりこを水で練ってマッシュポテトにするワザは気味が悪くてやったことありません。皆、度胸があるなあ。

20111018

古いハナシで恐縮ですが

ウルトラファイトが復活するとのハナシをラジオで聞きました。(何週間も前に) 

未見ですが、ウルトラマン(セブンも?)に登場する怪獣たちが砂浜でどつきあったりする番組だったらしいですね。

僕は、ウルトラ怪獣(など)の安売りが大嫌いなのだ。
最近ではソフトバンクのおちゃらけたウルトラマンを見ると無性に腹が立つ。

 もちろん、円谷プロとしての意向・・・会社組織の存続のために原価をなるべく押さえつつ着ぐるみを使い回して利益を上げよう、という考えはよくわかるし、絶対に間違ってはいませんよね(むしろ当たり前の選択)

 しかし、(デザインありきとして考えれば)成田亨さんという偉大な芸術家を中心にして構築された「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の世界は後に続く人たちが簡単に壊してしまってよいものではないのではないか。
当時のスタッフさんたちが創りあげた世界というのは、やはり神聖なものです。
今のような新素材も無かった時代に一流の職人さんたちが持てる技術を駆使して未来的な世界や怪獣、異文明からの使者を一生懸命に創りあげたわけです。当時の子供たちに向けてね。
 正直、チャックとか再現した立体物なんか見るとどうかしてると思う。アレは作品に集中してればけして気にならないし、大人ならば見て見ぬふりをする部分でしょう。

 ジャンルは全く違うとはいえモノ造りを仕事とする僕としては、この世界はここだけで完結してもらいたいと、どうしても感じてしまうのだ。
バラエティ番組なんかでも時々ウルトラマンが出てくるけれど、誰もが「ウルトラマンという着ぐるみ」で笑う対象という認識しかないのは寂しい限り。
 あれ(デザイン)は、「子供番組」に組み込まれた芸術作品なんですよ。
成田亨さんがデザインされたウルトラマン、ウルトラセブンに続くものは、けしてオリジナルに敬意を払うものではなかったように感じてなりません。
 デザインの亜種を考えて遊ぶのは、利益が発生しないシロウトの特権です。
それならば楽しいし許されるけれど、本来は商売人がやってはいかんものなのではないでしょうか。

 ただ、ウルトラマンのデザインに関して言えば創造主である成田亨さんが気に入らなかったカラータイマーはバランス的に非常に良かったと思う。スーツの銀に赤いラインに黄色系の目玉。胸の中央に鮮やかな青色を入れることで完璧に完成されたような気がします。
同じように、HRギーガー氏が気に入らなかったエイリアンの背中から突き出した突起。アレもあったほうが断然カッコイイと思いますが皆さんはいかが?

 偉大な作品への、のっかり商法といえば、仮面ライダーやガンダムなんかもそうですね。
言葉だけのリスペクトで線を一本増やしたりバランスを変えたりする目的は実のところ金のためだけ。どの作品も熱烈なファンではないけれど、傍から見ていて本当にさもしい。
仮面ライダーなんて、この冠付けなくても充分面白い作品があったと思います。デザイン的にはどうかと思いますが!
中でも「仮面ライダー響鬼」という作品は別格なんですが、このハナシはまたいずれ。

 所詮短い文章なので、今回は「過去の偉大な作品に敬意を払え!」と散々書いてきたような展開になってますが、稀に「元を超えてしまった」ように感じさせる作品もあります。
要は、元をあまり知らなければ気にならないしスタンダードにも成りえる、ということでしょうか。
(でも「元」を知り、そっちの方が良ければ、やっぱりアカンということになるんですが)
 具体的にタイトルを・・・と言われると思いつきませんが、ZIP!(日本テレビ系の朝番組)の「おはよう忍者隊カッチャマン」はほぼ欠かさず観ています。
白鳥のジュンが物真似の新ネタを練習しとる回は特に良かった・・・マ゛グロ゛ヴマ゛~イ゛(笑)

第一次タツノコブームの頃描いたヤツ。
思い出し50%くらいのほうが描いててオモロイ。