ブログ アーカイブ

20170408

剣客商売

 「剣客商売」は、鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安シリーズ」と並ぶ、池波正太郎先生の代表作で、1972年から1989年の間に連載されました(継続ではない)。
 1990年の「鬼平」「梅安」が絶筆で終わってしまったのに対し、こちらは完結していますので、手に取るのも割と早かったかと思います。

 最近では原作を忠実に表現しながら視覚的な演出もされることでさらに面白くなった、大島やすいちさんの手による「決定版」ともいうべき漫画版も出版され、大人気のようです。
僕はコンビニコミックを手にしてからバラバラに買い始めたので何故か同じ巻が3冊もあったりして・・・。
リイド社 出版(画像はamazonより。何冊か買ってますのでご容赦)
 
特に「仁三郎の顔」の終わり方は漫画独特の「間」で表現され、非常に素晴らしいと思います。是非一読あれ!
 惜しむらくは結婚前の三冬の若衆曲げが、どうも実際のスタイルと違うのでは・・・という点と、根岸流手裏剣の達人・杉原秀が使う「ひづめ」が普通の棒手裏剣だった点。「ひづめ」は文章からの印象ではギターのピックのようなものを想像していたので。(もうひとつ、美人すぎること)
 現在26巻まで刊行されていますが既に原作は尽き、25巻からは他から流用したお話しとなっています。
あれ・・・?と感じる方も多いらしく、不思議なもので25巻以降は何だかあまり面白くなくなってしまいました。

 さて、主人公 秋山小兵衛の風貌は二代目 中村又五郎さんがモデルとされています。
池波先生がそうおっしゃっている以上、実写となれば又五郎さん以外には考えられません。
ということで、藤田まことさんのテレビシリーズはディアゴスティーニの1巻しか見たことがありませんでした。(・・・というか、昔はこれっぽちも興味がなかったので全く見なかったのですが。)
 しかし池波先生の大ファンとなってしまった現在、やはり観てみなければと思い立ち、同じくディアゴスティーニのシリーズを何点か買ってみましたよ。
 結果はやはり、顔のイメージも違うし背も大きいしでいまひとつしっくりきません。又五郎さんが演じられたテレビドラマは未見(時代劇チャンネルで観れるのだけれど・・・未加入なので)ですが、鬼平のゲストで出演されていますから風貌は存じ上げています。あの、小柄で上品な感じこそ池波先生が思い描く小兵衛なのです。
 藤田まことさんの、お茶の間での印象は「必殺」の中村主水、「はぐれ刑事」の安浦刑事が圧倒的なはまり役で、この二人は藤田まことさん以外では全く考えられません。ただ、小兵衛は違うなあ・・・と感じました。
 以前、大治郎には渡部 篤郎さんより体格ががっしりした山口 馬木也さんの方が合っていると書きましたが、何本か観て、渡部 篤郎さんもなかなか決まっているなと思いました。特に目つきが鋭いあたりや朴訥とした雰囲気が良かった。ただやはり、首も細いので和服よりスーツの方が抜群に似合いますね。
山口 馬木也さんは正統派大治郎な雰囲気ですが、藤田まことさんとの対比、そして妙に存在感がある寺島 しのぶさんとの共演では魅力が発揮できないような気がしました。
 そしてこのドラマにいまひとつ入り込めなかったのは、三浦 浩一さん梶 芽衣子さん3代目江戸家 猫八さが出演されていたことも原因のひとつです。
ドラマ鬼平に慣れ親しんだ者にとっては、どうしても伊三次、おまさ、相模の彦十なんだよなあ・・・。

皆さんはいかがでしょうか。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿