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20190815

アニメ鬼平

企画が発表された時、従来のファンは眉をひそめたことでしょう。

そしてビジュアルが公開された時は不快に感じたことと思います。

 この企画、柔軟な感覚をお持ちの池波先生ならばあっさり許されたかも知れませんが、ファンの方は先生以上に作品への思い入れが強くて許せない気持ちが強いのかも…。

 そんなことで多くのファンの皆様同様、興味は全くなかったのですが、時代劇チャンネルの無料放送がありましたので「むかしの男」を観てみましたよ。

 結果、最後まで観ていられませんでした。

 この作品を観る気がないファンはどうしてもドラマと比べてしまうことでしょう。でも違うハタケの作品を比べることは意味がありません。
(おなじ平面表現ではさいとうたかをさんの漫画版もありますが、正直こちらも良いと思ったことはありません。)

さて、どこが気になったかというと

何はともあれキャラクターデザイン。

※「鬼平」公式サイトより転用させていただきました。

昔に比べて高齢層の風体が若く(子供のまま)なったからといって、ガリンガリンのチンピラの風体にする必要は全くなかった!とはいえ中村吉右衛門さんに似せろ、ということではありません、ドラマとアニメは違うのだから。絵のシャープさは流石プロの方なので、そもそも原作に興味が無かったのか…?

そして、
殺陣がお粗末で動きがいかにもマンガ的。ハナシ自体も端折りすぎで、子供が見るやつ…というか特撮番組同様、視聴者層を欲張りすぎて子供と大人、どっちつかずの印象。

 これはテレビマンガの制約による部分が大きくて、人が描く作業量と製作期間、そして放送時間(長さ)が、「鬼平犯科帳」を描くには不十分すぎるのだ。
 もしアニメーション映画として製作されたのなら世界最高峰の技術力をもつ日本のスタッフさん達ですから、もっと素晴らしい作品になっていたでしょう。是非、長期計画で取り組んで欲しかった…もちろんキャラクターデザインだけは全面変更いただきたいですが。

 コレさぞかし評判悪かろうと思いamazonで調べてみましたが意外と高評価の様子(本当の意見か知らないですけど)。
 でもキャッチーなアニメキャラクターに惹かれてこの作品に触れる若年層の皆さんが、原作や時代劇に興味を持たれるきっかけになるとしたら大変嬉しいです!
 ということでアニメ「鬼平」、毛嫌いして観たことのない池波ファンも是非一度ご覧ください。「その通りだ!しょうもない!」と怒るかもしれないし、「思ってたより悪くない!よく出来てるじゃないか!」と思うかも。

でも僕はこの雑な企画自体、池波正太郎先生への敬愛を全く感じません。


 BSフジで「鬼平犯科帳」も放送されていて、初代白鸚さん(若かりし吉右衛門さんの辰蔵や、志ん朝名人のうさ忠も嬉しい!)や萬屋錦之介さんの平蔵も観ることができて有難いです。馴染みのある吉右衛門さん以外の平蔵は考えられないな…と思っていましたが、皆さん素晴らしいです。
 となると、次期「鬼平」があれば十代目幸四郎さんなんてこともあり得るのでしょうか…。

 出来れば中村又五郎さん版の「剣客商売」も是非観たいですねえ…時代劇専門チャンネルに入ればいいのですが…。
大治郎はやっぱり山口馬木也さんがダントツの存在感です。体格も腰の入れ方も申し分ないと思います。渡部篤郎さんは首や身体が細くてスーツ向きの体格だし斎藤工さんもガッチリしてる割に何だか着物が似合わないような…現代っ子だからでしょうか?

 最後に全然関係ないですけど「いだてん」が絶不振の様子。僕は面白いです。BS観てから地上波も観てます。


※今回、歌舞伎の皆さんのお名前がたくさん出て来ました。慎重に書き込んだつもりではありますが、万一間違えとる場合はご指摘いただけますと幸いです。

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