ジブリ作品には特別な思い入れがありませんが、
「ラピュタ」「紅の豚」「耳をすませば」なんてのはテレビ放映される度に観てしまうような、割と好きな作品です。
ということで借りぐらしのアリエッティはけっこう楽しみにしており、昨日ようやく観ることができました。
感じ方は人それぞれ。面白かった!という方もいらっしゃるかとは思いますが、
ひとことで言うと、気持ちの悪い作品でした。
小人の暮らしを描くのは良い。描写も良かった。宮崎アニメ定番のタッチ(・・・元は「アルプスの少女ハイジ」を描かれた方のタッチでしたっけ?)で描かれた主人公二人のデザインも、良い。
病もちらしく元気の無い神木くんの声をはじめ、声優陣もとてもよかったと思う。
しかし、知的生命に対し「絶滅する種族だ」と言い放つ主人公にはゾッとしました。
別の面から見ればこの軽くて残酷な発言は心臓に病気を持つ彼の状況や年齢から言っても非常に現実的ではあるのだが、(人としても作品としても)後で謝れば何を言っても良いというわけではありません。そして、彼の浅はかな行動の連続で小人家族は家を捨てるハメになったわけだ。
・・・この行動も病をもつためと考えれば現実的すぎる描写なのだが、映画作品的ではない。
彼に巻き込まれながらも会いに行ったり一緒にお母さんを探すアリエッティにも共感できないし、何よりも気味の悪い表情と存在のばあやさんにも参った。
ドイツ系の表情のお父さんとギスギスして落ち着きの無いお母さんのデザインにも全く感情移入できなかった。ジムシーみたいな男の子は出番が少なくてもったいなかった。
妙に漫画的なデザインの虫やカラスはリアルな方が良かったと思う。
小人の生活を描く発想はすごく良いと思います。従来の小人って草の露飲んで原始人みたいな生活しとる描写ばかりだったでしょう。人間の道具を上手く取り入れながら文明的に暮らしているところはすごく良かったと思います。
ただ、全てが地に着いていなくてフワフワした印象を受けました。はじめは楽しく観てたのに結局早送りで見だして、即消去。
シロウトの案としては、それぞれの生活を平行に描きながら、ところどころ接点を持たせつつ一度も顔をあわせることなく、少年は町に、アリエッティ家族はそのまま屋敷に住む、なんてのもアリかと思いますがいかがでしょう。・・・全然ドラマチックではないか(笑)。
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