松山ケンイチくんは無精ひげ伸ばしとったら笑い飯にしか見えんでイカンわ…。
狼よ落日を斬れ
画像はAmazonより。買ったのでヨシとしてください。2000円也。
原作・池波正太郎先生の長編時代小説「その男」(文春文庫刊で入手可)が原作。人気作品とのことですが、主人公より半次郎や西郷さんの印象が強すぎて僕はいまひとつでした。
「人斬り半次郎」も元になっているとのことですが、例えば「幕末新選組」と「近藤勇白書」のように、同じ作者・同じ時代を題材にすれば内容が似通ってくるのは当然です。そんな感じ。久々の時代劇ですが、けっこう面白かったです。
旗本の嫡男、杉虎之助は生まれながらに病弱で、十三歳で大川に身を投げるものの、池本茂兵衛に助けられる。これが虎之助の、本当の人生の幕開けとなります。以降は伊庭八郎・中村半次郎・西郷隆盛らと親交を交えつつ、虎之助の波乱の人生を綴る物語。
映画では虎之助をTV時代劇「桃太郎侍」、最近ではバラエティでの印象が強くなってしまった高橋英樹さん。僕の中ではイメージが若干違っていたんですが…。高橋英樹さんは力強い表情やがっしりとした体格が、何か元虚弱体質っぽく無い…(笑)。すごくカッコイイんですが。
これは役者としての力量ではなく、持って生まれた姿が良すぎたのが原因で、TV時代劇版「壬生義士伝」の吉村先生を演じられた渡辺謙さんと同じような感じです。こちらも眩しすぎて卑屈な部分が出にくい謙さんより、僕は中井貴一さんの方が良かった。(これはあくまでも個人の意見なのでご容赦ください。)
伊庭八郎を「龍馬伝」での怪演が記憶に新しい近藤正臣さん。半次郎を緒形 拳さん。
伊庭八郎や中村半次郎に焦点を当てた実写って知らないので、両名とも「この人!」といったイメージはありません。しかし、お二人とも実に良かった!
原作には接点が無かったような気がする…沖田に西郷輝彦さん。さらに池本師の田村高廣さんや礼子の松坂慶子さん(また綺麗なのだ)など、これぞ映画!という、映画が最高の娯楽だった時代ならではの豪華キャスト陣が作品の隅々までを固めます。
少々オーバーな演出もありますが、江戸から明治の移り変わりが服装や町並みに現れていて新鮮でした。さらに京都の美しいこと(お寺ですが)。古いフィルム独特の味わいもありますが、デジタルに支配された現代には感じられない当時(昭和)の空気感にため息が出ました。
なんていうか、武術の達人て相手のオーラが見えると言うじゃないですか、言わないですか。そんなのがわかる域に達したのかなあ(笑)!きっと、昔の映画全般に感じられると思いますので今後も色々な作品を観てみたいです。
虎之助・伊庭・半次郎に加え新選組・沖田も交えて京で楽しそうに酒を飲む場面があり、お互いを憎んではいないのに佐幕・倒幕の大きな力がそれぞれを分ける史実を知っているので切なかったです。
残念なのは尺や何やらの関係で原作のラストまで描写されなかったところですが、長編を上手いとこ取りでまとめられたと思います。池波ファンは間違いなくご覧になっていると思いますが、幕末ファンにもオススメ。
ああ!動いている池波先生をはじめて拝見して感動しました(笑)。
「むかしの味」とかテレビドラマ化すりゃいいのに。
テレビ関係者の皆さんは流行ばっかし追ってないでものごとの本質を見極めないとね。
・・・でも昔ばっかり掘り起こしてリメイクばっかしやるのも芸がないですね。
ごめんなさいね視聴者は勝手で(笑)。
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